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特許に有効期限はある?知っておきたい特許権の期間

特許・商標には有効期限があります。また、期限内も無条件で特許権が発生するわけではありません。こちらでは、特許の有効期限の考え方や維持する方法、無効となる条件についてお話します。


特許は出願から20年守られる

特許には20年という有効期限が設けられています。この期間内であれば特許にかかわる法的な権利が有効であり、第三者による発明の無断使用停止を要求できる「差し止め請求権」を行使することが可能です。例外的に医薬品などの特許権は、最長で5年間の延長が認められることもあります。

注意しなければならないのは、上述した有効期限の起点が特許の出願日である点です。審査を通過し、特許権が発生する登録日は有効期限の起点ではありません。2010月9月1日に出願し、2011年6月1日に特許登録された発明を想定してみましょう。この場合、有効期限の始まりは出願日である2010年9月1日です。

なお、有効期限が終了した後は当然ながら特許権を行使することはできません。特許があるような表示をすると虚偽とみなされ、刑事罰を科されることがあります。


特許権が発生するのは「設定登録」の後

上述したとおり、特許権が発生するのは特許査定が通知され特許料を支払った後の「設定登録」のタイミングです。一方で、有効期限の起点はそれ以前にさかのぼり、出願日から数えられます。登録日から20年間にわたって有効期限が継続するわけではありません。審査が設けられていることから、出願と登録のタイミングには少なくとも数ヶ月程度のズレが生じます。実質的に言えば、特許の有効期限は20年より短くなってしまうということです。

特許性の審査である実体審査には出願から3年以内という請求期限が定められています。この期限いっぱいまで請求を見送り、その後の審査でも手続きが難航した場合、出願から登録まで10年ほどかかってしまうケースもあります。この場合も有効期限の起点は出願日となりますので、実質的な有効期限は10年程度にまで縮まってしまうということです。

出願者にとっては、審査を速く切り抜け速く特許権を取得することが重要といえます。早期の特許権取得を希望する出願者のために、「優先審査制度」や「早期審査制度」が設けられています。


4年目以降も維持するためは毎年特許料の納付が必要

出願日から20年の有効期限の間も、無条件に特許権が維持されるわけではありません。有効期限の間は、特許権を維持するための「特許料」の支払いが必要です。

特許料は請求項目の数によって決まります。特許を登録するためには最初に3年分の特許料をまとめて支払う必要があります。4年目以降も特許権を維持するためには、毎年特許料の支払いが必要です。なお、特許料は継続期間に応じて徐々に上がっていきます。4年目以降に毎年支払う特許料は、「年金」とも呼ばれています。

4年目以降の特許料支払いは、原則として前年度の末日までが期限です。期限内の支払いができない場合も、6カ月以内であれば倍額を追納することで特許権を維持できます。この追納期間を過ぎると、特許権は前年度末日で無効となります。

基本的に、管理者に期限通知などはありません。特許権を継続させるためには、特許料の支払いを忘れないように注意が必要です。年金に関してもまとめて支払うことが可能なため、資金力に余裕がある場合はあらかじめ数年分を納付しておくことをおすすめします。


特許料未納以外で特許が消滅するパターン

上述した特許料の未納以外にも有効期間内に特許権が消滅することはあります。代表的なパターンを以下にご紹介します。

無効判決

登録済みの特許に対して意義のある他者は、その特許の無効化を特許庁に求める「無効審判」を請求することができます。発明における新規性・進歩性の欠如、書面の記載不備などが主な無効事由です。請求を受けた特許庁はその特許を審理しますが、無効事由が認められる場合は権利者に「無効判決」が通達されます。この判決が下された特許は原則として無効となりますが、権利者は判決から30日以内であれば「審決取消訴訟」を提起できます。

自主的な放棄

特許権は維持することが義務付けられているわけではありません。自主的に放棄することも可能です。上述したように特許を維持するためには費用が発生するため、相応の利益が見込めない場合は放棄されることも珍しくありません。

放棄の方法としては、上述した支払期限までに特許料の支払いをしないことで権利を消滅させる方法が一般的です。特許庁に書面を提出して放棄することもできますが、その時点ではすでに最新の特許料を支払っているためこの放棄手続きがとられることはあまりありません。


まとめ

特許の有効期限と無効のなる条件についておわかりいただけたでしょうか。最長20年の有効期限をフルに活用するためには審査を早く終わらせる必要があります。4年目以降の継続のためには年金を支払う必要がありますが、特許権の意味が薄れている場合には自主的な放棄を検討してもよいでしょう。

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