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査定、納付、そして登録!特許権を得るまでの流れ

発明に関して特許権を取得するためには、複雑な手続きを踏む必要があります。審査の過程では、特許庁との出願者の間で書類が行き来することも少なくありません。スムーズに特許権を取得するため、おおまかな手続きの流れを把握しておきましょう。こちらでは、出願から特許登録までの基本的な流れをご説明します。「拒絶査定謄本」が届いてしまった場合の対応もご紹介しますので参考にしてください。


まずは特許庁に特許出願

特許権を取得するためには、まず「特許出願」という手続きを行います。出願の際は「願書」「特許請求の範囲」「明細書」「図面」「要約書」という5つの書類が必要です。それぞれの書類は、準拠すべき様式が決められています。

「願書」は出願者の氏名や住所など、基本的な情報を記載する書類です。「特許請求の範囲」には権利を主張する特許の内容を記載します。明細書では特許を取りたい発明の内容を開示します。「図面」は発明の構成を図によって明らかにする書類です。「要約書」には発明の概要がまとめられます。

それぞれの書面はA4の紙媒体に印刷して提出します。窓口となるのは特許庁です。特許庁に直接出向いて出願する方法と、郵送で提出する方法があります。また、現在は必要情報をオンラインで提出する「電子出願」も可能です。


審査官によって特許査定が行われる

出願のあとは、長い審査期間に入ります。具体的には以下のような流れで審査が進んでいきます。

方式審査

方式審査は、提出書類が様式に沿っているかどうかのチェック審査です。あくまで様式に関する確認のみであり、特許性に関しては審査されません。不備が見つかった場合は出願者に通知されます。

出願審査請求

特許性の審査である「実態審査」に進むためには、「出願審査請求」をする必要があります。出願から3年以内であればいつでも請求が可能です。出願審査請求を行うために、所定の審査請求料を支払います。

実体審査

本格的な特許性の審査は「実体審査」で行われます。法律上で規定されている拒絶理由に抵触する場合は、審査官から「拒絶理由通知書」が届きます。拒絶理由が認められない場合は「特許査定」が通知され、次のステップに進むことが可能です。


審査通過&特許料納付を経て「特許権の設定登録」が完了

審査通過の証として特許査定が通知されますが、その時点ですぐに特許権を行使できるようになるわけではありません。特許査定の通知後は、特許料を支払う必要があります。具体的な金額は権利の種類や範囲によって変わってきますので注意してください。支払いは特許印紙、振込用紙、口座振替などで可能です。

特許料の支払い後、特許原簿への設定登録が行われます。この行程が完了してはじめて出願した発明の特許権を行使できる状態になります。特許には有効期限が定められていますが、この期間の起点は登録日ではなく出願日のため注意してください。


もし拒絶査定謄本を貰ってしまったら…

実体審査で出願を拒絶すべき理由が認められた場合、まず「拒絶理由通知書」が特許庁から発送されます。この書類は特許を登録できない拒絶理由を述べたものであり、受け取った出願者は拒絶理由の解消を目指すことになります。実体審査の結果、拒絶理由通知書が届くことは決して珍しくありません。

この時点では「意見書」による申し立て、「手続補正書」による書類の補正などによって拒絶が解消される場合があります。解消手続きにはそれぞれ期限が設けられていますので注意が必要です。

その後の審査でも拒絶理由が解消されていないと判断された場合は、拒絶を通知する「拒絶査定謄本」が発送されます。この段階でも、まだ対応は可能です。謄本の送達から3カ月以内であれば「拒絶査定不服審判」という不服申立制度を利用できます。

ただし、拒絶査定不服審判を請求する際は、同時に特許出願を分割しておくことをお勧めします。特許出願を分割しないまま、拒絶査定不服審判を請求し、拒絶査定が確定してしまえば、拒絶理由を有していない請求項も権利化できなくなってしまいます。上記のように、特許出願を分割することで、拒絶理由を有していない請求項を確実に権利化しながら、拒絶理由を有する請求項の権利化を目指すことができます。


その後の審査でも拒絶理由が解消されない場合は、「拒絶審決」が謄本で通達されます。この送達から30日以内であれば、審決の取り消しを求める「審決取消訴訟」が請求できます。

いずれもの対応も、手続内容は煩雑です。特許事務所などの専門家に依頼することもできます。


まとめ

特許出願し、権利を行使できるようになるためには、審査を通過する必要があります。審査自体は厳格ですが、最終的な拒絶が決定するまでには何度か異議申し立てや特許の補正を行う機会が設けられています。拒絶査定謄本が送達されたとしてもすぐにあきらめることはありません。一方で、特許登録手続きに関する知識を習得している専門家の存在は、手続き中の随所で力になるでしょう。書類作成・拒絶通知後の補正・分割対応など、煩雑な手続きに関するご相談は、特許に精通した、しかもその分野を専門に取り扱う特許事務所にお寄せください。

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