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意匠登録とは?デザインの保護に

意匠権は、知的財産権の一種です。特許庁に出願して意匠登録することで、意匠の権利を守ることができます。意匠に当たるのはどういったものなのでしょうか。

また、意匠登録にはどの程度の期間や費用がかかるのでしょうか。今回は、意匠登録に関する基本的な知識のほか、商標・特許との違いについても簡単にご紹介します。


意匠権とは?


意匠とは、平たくいえば「物品のデザイン」のことを指します。意匠権はそのデザインを保護する目的で付与されるものです。意匠権を持つ「意匠権者」のみが、その意匠の物品を製造・販売できます。意匠権を発生させるには特許庁へ出願して審査に合格しなければいけません。

意匠権の保護対象となるデザインには、

  • 世間に未発表である
  • 独自に開発したものである
  • 簡単に創作できない
  • 物品の形とデザインが結びついている
  • 実用的である
  • 物品の外観にデザインが表れている
  • みたときに美しいと感じられる
  • 工業的に大量生産できる

など、さまざまな条件があります。


意匠登録にかかる費用は?


意匠登録の手続きでは、1万6,000円の出願料を特許庁に支払います。書類の手続きは自分で行っても良いですが、法律に基づいた正しい書類を作るのは難易度が高いでしょう。慣れていない方は、特許事務所へ手続きを依頼するのがおすすめです。

出願の際に特許事務所へ支払う手数料は、最低でも5万円ほどです。手続きする書類の量や事務所により金額は変わり、最高で15万円ほどになります。

審査に何も引っ掛からなければそのまま登録手続きへ進めますが、何かしらの理由で審査に通らないときもあります。そういった場合は、意見書や補正書を特許庁に提出する「中間処理」が発生します。

中間処理で特許事務所へ支払う金額は、意見書が4万円から、補正書が4万円からが相場です。合計で8万円以上かかるとみておきましょう。また、これは一度の中間処理でかかる金額です。中間処理が何度かあれば、そのたびに費用が発生します。

無事に意匠権が認められたら、特許庁に登録料8,500円を支払います。特許事務所には登録手数料、期限管理費用、成功報酬として合計6万~8万円を支払うことが多いようです。

このように、意匠登録するまでには、15万円前後の費用が必要になります。ただし、審査において拒絶査定不服審判があった場合は、追加で費用を支払うため、料金が高額になる可能性があります。

また、特許庁へは毎年「維持年金」を納めなければいけません。意匠権の登録期間は、最長で20年となっています。登録から1~3年目までは毎年8,500円、4~20年目までは毎年1万7,000円がかかります。20年間意匠権を維持し続ける場合は、合計30万6,000円支払うこととなります。

費用に関する細かい知識は以下の記事に詳しく記載しています。ぜひご参照ください。

参考:意匠登録に必要な費用は? 意匠権の維持にも費用がかかる?



意匠登録の出願方法は?


意匠登録出願の際は、登録したい意匠を図面に起こし、特許庁に提出する必要があります。図面は正面・背面・真上・真下・右横・左横の6方向からみたデザインを用意する決まりです。このとき、図の縮尺はすべて同じにならなければいけません。ほかには、形式の定められた願書を用意します。

書類の提出方法は持参・郵送・電子出願のいずれかです。書類が受理されたら、まずは願書に漏れがないかのチェックがあります。その次に「実体審査」の開始です。この審査には半年ほどの期間を要します。無事に審査に通れば登録料の納付を行い、晴れて意匠権が発生することとなります。書類製作から意匠権発生まで含めると、1年程度はかかるとみておいたほうが良いでしょう。

意匠登録の出願方法の詳しい内容については、以下の記事をご覧ください。

参考:意匠登録の出願方法は?出願から登録までの流れと必要な期間について


意匠と特許の違いは?


意匠と特許の違いは、保護する対象です。意匠権が保護するものは「デザイン」、特許が保護するものは「技術」となります。また、同じ物品に両方の権利が付与されることもあります。

特許権が認められるのにも、さまざまな条件を満たして特許庁の審査に合格しなければいけません。権利の対象となるのは新しく発明された物品、方法、または物品の製造方法です。権利は20年有効となりますが、登録までに2~5年と長い時間がかかります。費用も高額で、最低でも70万円ほど必要です。

以下の記事では、意匠権と特許権の違いについて詳しく紹介しています。

参考:意匠権と特許権の保護対象はどう違う?


意匠と商標の違いは?


意匠権が保護するのは「工業的デザイン」です。一方、商標権は企業名や商品名、ロゴ、ブランドマークなどの「価値」を保護する権利となります。文字や図形、記号、立体的な形状などが権利の対象です。有効期間は登録から10年間ですが、10年ごとに更新し続けられるというメリットがあります。一度登録しておけば、半永久的に商標を保護できます。

意匠権と商標権の違いについては、以下の記事にて説明しています。

参考:意匠権と商標権はどう違う?会社のキャラクターを保護すべきはどっち?


まとめ


権利を守りたい工業的なデザインがある場合は、意匠登録するのがおすすめです。特許庁への出願や中間処理などは、知的財産権に関する知識が豊富な特許事務所へお任せください。

意匠をはじめとして、商標や特許などさまざまな権利に関する問題でお力になれるでしょう。

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