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意匠登録に必要な費用は? 意匠権の維持にも費用がかかる?

工業的なデザインに関する権利を保護できる意匠権。登録の際は、いくら費用が必要になるのでしょうか。こちらのページでは、意匠権出願時の費用や維持費など、意匠権に関するさまざまな料金についてご紹介します。


意匠登録出願にかかる費用


意匠登録出願において、費用が発生するタイミングは、一般的には意匠出願時と意匠登録時の2回です。拒絶理由が通知された場合、拒絶理由に対応する場合は、そのタイミングでも費用が発生します。


意匠出願時に必要な費用


意匠出願時に必要な費用は12万円程度になります。

この費用の主な内訳は、印紙代、事務所手数料、図面代になります。もちろん、自分で出願するのであれば、印紙代のみになります。また、特許事務所に代理してもらった場合でも、図面は自分で用意するのであれば、図面代は安く抑えられるでしょう。

意匠出願時に特許庁に納める印紙代は1万6,000円です。

意匠出願時の事務所手数料は、最低でも5万円程かかります。特許事務所は、出願に際して必要なさまざまな書類を作成します。そのため、事務所手数料は、書類の多さや難易度によって異なる場合があります。

図面代は、5万円前後になるケースが多いです。意匠出願時には、意匠を6方向からみた6面図が少なくとも必要になります。図面は、線図、CG図、写真であっても大丈夫です。ただし、図面の縮尺はどれも同じでなくてはいけません。また、6面図だけでは、理解が難しいような物品においては、参考図として、使用状態を示す図、断面図、斜視図などが必要となります。そのため、図面代は、物品(図面作成の難易度)によって変わります。


意匠登録時に必要な費用


意匠登録時に必要な費用は10万円程度になります。

意匠登録の審査が通ったら、登録査定と審査合格通知がもらえます。登録査定後、30日の間に特許庁へ登録料8,500円を支払えば、意匠権獲得です。特許は最初に3年分、商標は5年もしくは10年分の金額を支払いますが、意匠権の場合は1年分のみで構いません。納付方法は特許印紙・予納・現金納付・電子現金納付・口座振替のいずれかになります。

また、意匠登録時には特許事務所に成功報酬を支払います。この金額は、6~8万円が相場のようです。登録手続きの手数料も含めると、10万円程度になります。


拒絶理由対応時に必要な費用


拒絶理由対応時に必要な費用は8万円~になります。

意匠権を得るには、特許庁が行う審査に通る必要があります。この審査に何らかの理由で引っ掛かると、拒絶理由が通知されます。意匠登録をしたければ、拒絶理由に対する「意見書」や拒絶理由を解消するための「補正書」を作って特許庁に提出しなければいけません。この意見書を作るのにも、特許事務所への手数料が発生します。意見書の手数料が4~6万円、補正書の手数料が4~6万円となる事務所が多いようです。

もし、この審査に落ちたまま登録をあきらめても、出願費用は返ってきません。出願は信頼できる特許事務所と共に、慎重に行うのが大切です。


意匠権の維持のために必要な費用


意匠登録は20年有効です。意匠権発生から20年経過すると、意匠権は消滅します。権利を保持するためには毎年「維持年金」を特許庁に支払う必要があります。金額は1~3年目が8,500円、4~20年目が1万7,000円です。20年間で支払う維持年金は、総額31万4,500円です。

維持年金の支払いをストップすれば、意匠権の権利を放棄できます。意匠登録の必要性がなくなったと感じたら1年以内に権利放棄できるのは、メリットといえます。特許権は最初の3年分は必ず維持費を納めねばならず、権利放棄できるのは4年目以降です。意匠権は何年目でも権利を放棄できます。


無効審判を提訴された場合に必要な費用


意匠権は、登録する際に審査が行われます。その際、意匠権の条件に満たないものは登録を却下されます。ただ、時折審査官が誤審査を行い、条件に満たないものが意匠権を獲得してしまうことがあります。この意匠権を無効にできる制度が「無効審判」です。無効審判制度は、特許や商標、実用新案でも行われます。特許権の場合は利害関係のある方しか提訴できません。意匠権であれば、誰でも提訴可能です。

この訴えが確定されると、登録された意匠権は抹消されます。登録日までさかのぼり、権利は最初からなかったものとなります。意匠権を守りたいなら、この訴えを否定しなければいけません。

提訴されたら、相手側の警告が正当なのか調べたり、答弁書を提出したりと専門的な作業が生じます。このときも出願・登録時と同様特許事務所に依頼するのがおすすめです。手数料は36~39万円が相場となります。

こちら側の意匠権が維持できると審決されたら、成功報酬を支払います。こちらも36~39万円が相場のようです。

また、無効審判の審決に異議があるときは、「審決取消訴訟」が行えます。この訴訟の際にも、再び費用がかかります。


まとめ


意匠登録の費用は、出願から登録までスムーズにいったとしても、最低20万円はかかります。登録する物品が多いときや質の良い書類を作りたいときには、より高い金額が必要です。

登録までの間に審査に引っ掛かると、意見書や手続き補正書の作成にお金がかかります。15万円ほどは見積もっておいたほうが良いでしょう。

忘れてはいけないのが、意匠権を維持するのにかかる金額です。有効期限いっぱいの20年維持しようと思ったら、トータルで31万4,000円必要です。

無事登録できたとしても、誰かから無効審判を提訴されたら、訴えを退けるのに費用がかかります。最低でも70万円程度はかかるとみておきましょう。

ご紹介したとおり一定の費用がかかる意匠登録ですが、お住まいの自治体によっては助成制度を設けているところがあります。対象となる方は中小企業や個人発明家などです。各自治体のホームページでご確認ください。

意匠権を獲得し、安全に運用するには信頼できる特許事務所との連携が欠かせません。お困りの方は、お気軽にご相談ください。

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