画面デザインはどこから「意匠」として認められるのか

インターネット技術の発展により、各社から提供されるインターネットサービスについて、より明確にオリジナリティーが出せるようになってきました。

特に、画面デザインについて、工夫を凝らしたサイトも多く出てきています。こうした時代を反映して、2016年に審査基準が改正され、画面デザインを保護の対象とするに至りました。

今回は、この画面デザインの意匠についてお伝えします。


意匠は「物品性」があるものしか認められていなかった


意匠権は、意匠法によって保護されている権利で、主にそのデザインを保護します。例えば、テレビのリモコンは同じ電源オンオフでもボタンの位置や形、色大きさなどさまざまです。各社使いやすいようにさまざまに考察されて作られます。意匠権は、このようなデザインを権利として保護しているのです。


そもそも意匠権ができた当時は、アナログ時代だったため、今のようなコンピューターシステムはほとんど利用されていませんでした。そのため、もともとの意匠は、物品の形や模様、配色などの色彩、これを組み合わせているものを保護していたのです。時代の変化に伴い、液晶部分についても意匠で保護されるように改正されました。


さまざまな改正を経て、近年のインターネットサービスの普及に伴い、デジタル部分、特に画面デザインについても保護の必要性が求められるようになったのです。そして、2016年改正では、画面デザインも意匠権として保護されるようになりました。

もっとも、2016年の改正においては、審査基準の改定なので、厳密な意味では法改正ではありません。


「操作のために必要な画像」も意匠登録ができるようになった


2016年の改正によって、画面デザインの意匠も認められるようになりました。これは、物品だけでなく、物品がその機能を発揮するための操作に利用される画像について、いわゆる画面デザインも意匠登録が可能になりました。


例えば、スマートフォンに搭載された歩数計機能の画面デザインなどが該当します。改正以前は、歩数計の液晶部分のデザインは保護の対象となっていても、スマートフォンに搭載された歩数計機能の画面デザインは保護されなかったのです。


これは、デジタル技術の発達により、機器の画面デザインの保護が必要になったためです。また、これらの画面デザインの保護は、世に出したあとに、アップデートなどで改良されるデザイン画像についても保護されるようになったのも大きな特徴です。なぜなら、意匠審査基準において、「その物品にあらかじめ記録された画像」という要件から「その物品に記録された画像」に緩和されたからです。


もっとも、今回の改正で対象外となっているものもあります。それは、「外部からの信号等による画像を表示したもの」です。例えば、ウェブサイトの画像や映画・コンテンツを表した画像、ゲームの画像、インターネットを介して提供されたソフトウェアの画像(クラウドコンピューティングを含む)です。


この場合を見ると、各ウェブサイトの画像やデザインは意匠の保護の対象にならないことが分かります。また、クラウドの会計ソフトなどがありますが、これらは意匠の対象外となるということです。他方、スマートフォンにインストールされたアプリケーションソフトの画像は意匠の対象になるということが分かります。


意匠登録された画面デザインの例


それでは、具体的に意匠登録された画面デザインの例をみていきましょう。まず、アプリケーションソフトのアイコンです。例えば、音楽再生アプリを開発した場合、このアイコンを意匠登録する場合があります。この場合は、「音楽再生機能付電子計算機」を物品と設定し、アイコンをその物品に記録された画像とします。


意匠登録の対象にならない画像の例


次に意匠登録の対象にならない画像の例をみていきましょう。やはり代表的な例としては、ゲーム機の画面デザインが挙げられます。これは、ゲームの画像が、物品それ自体の形状や模様、色彩またはこれらの結合と認められないことを理由としています。


ただし、ゲーム機の電池の残量を示すような画像であらかじめその本体に記録されているような場合は、物品の部分の形状などに該当するため、意匠登録の対象になるとされています。また、パソコンのOSにより表示された画像も意匠登録の対象にならないとされています。


他方、画像デザインの要件を満たしていても、意匠権としての一般的な要件を満たさなければ、意匠登録されないということにも注意が必要です。


意匠登録の一般的な要件は、いくつかありますが、例えば、「新規性を有すること」や「創作非容易性を有すること」に該当する必要があります。具体的には、誰でも簡単に思いつくようなものならば、要件を満たさないことになるのです。


まとめ


意匠権は、デザインを一定期間保護するものです。近年の改正によって、デジタル部分についての画面デザインについても意匠登録が認められるようになりました。しかし、意匠登録の対象外となっているものも多くあるため、自社の権利はどこまで守ることができるのか、よく分からないという場合もあるでしょう。

意匠登録できるかどうかという観点からもお困りになっているかもしれません。お困りの場合は、お気軽にお問い合わせください。

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