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はじめての特許出願で知っておきたいコト<知識編>

自社の技術の特許権化は、自社の技術を守るための常套手段です。その特許権の取得の代理を弁理士事務所に依頼しても、はじめてのことだらけで、様々な疑問が生じているかと思います。ここでは、初めての特許出願で、誰もが疑問に思っていることへの回答をQ&A形式で提供します。

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<出願前>


Q.特許を出願するためにはどんな書類が必要なの?

A.「願書」、「特許請求の範囲」、「明細書」、「図面」、「要約書」が必要になります。

願書・・・出願人、発明者、出願日などの書誌事項を記載した書類

特許請求の範囲・・・権利範囲を確定する書類

明細書・・特許請求の範囲の説明書類

図面・・・明細書の説明を補足する書類

要約書・・発明の概要を記載した書類


Q.願書に記載されている特許出願人ってなに?

A.特許権が発生したときの権利者です。

法人でも個人でも構いません。


Q.特許出願人、発明者、住所などは変更できるの?

A.変更できます。


Q.特許請求の範囲に記載されている請求項ってなに?

A.権利を主張する内容を記載したものです。

請求項の数が5つあれば、5つの権利を主張することになります。


Q.例えば、以下のように特許請求の範囲が記載されていた場合、どのような権利を主張していることになるのでしょうか?

請求項1

○を具備する携帯型情報処理端末。

請求項2

△をさらに具備する請求項1記載の携帯型情報処理端末。

請求項3

□をさらに具備する請求項2記載の携帯型情報処理端末。

請求項4

×を具備する携帯型情報処理端末。

A.以下のような権利範囲を主張していることになります。

請求項1で、○を具備する携帯型情報処理端末の権利を主張しています。

請求項2で、○と△を具備する携帯型情報処理端末の権利を主張しています。

請求項3で、○と△と□を具備する携帯型情報処理端末の権利を主張しています。

請求項4で、×を具備する携帯型情報処理端末の権利を主張しています。

なお、特許業界では、

請求項1、4を独立請求項と呼ぶことがあります。

請求項2、3を従属請求項と呼ぶことがあります。

従属請求項の権利範囲は、従属先の請求項の内容も含んだ範囲になりますので、注意が必要です。


Q.明細書はどのように書いてあればいいの?

A.特許請求の範囲に記載されている内容を、同業の人が見たときに実施できる程度に詳細な説明を記載していなければなりません。

理想的には、自社で実施するものをそのまま説明できていれば最低限OKです。


Q.図面は専用のソフトで書く必要があるの?

A.ありません。

明細書の説明を補助するものですから、見て分かるのであれば、フリーハンドでも構いません。


Q.特許事務所に依頼していた出願書類をどのようにチェックすればいいの?

A.特許請求の範囲だけは必ずチェックしてください。

ただし、特許出願をしたことがある人でも、特許請求の範囲を読んで理解することは難しいです。特許事務所にお願いして、特許請求の範囲の説明を受けるようにしてください。



<出願後>


Q.出願後に、特許請求の範囲を修正することはできるの?

A.できます。

明細書に書かれている内容の範囲であれば、かなり自由なタイミングで出来ます。


Q.明細書に書かれていない内容を特許請求の範囲に追加することはできるの?

A.出願日から1年以内であればできます。

このとき利用する制度は、特許法第41条に規定される特許出願等に基づく優先権制度です。

これを、弁理士業界では「国内優先」と略して呼ばれることが多いです。


Q.特許出願してからどれくらいで権利化されるの?

A.審査請求をしてから権利化されるまで、一般的に1年以上かかります。

ただし、大前提として特許出願しただけでは、審査は開始されないので注意が必要です。

特許庁への審査の申請を「審査請求」といいます。審査請求をしてはじめて審査が開始されます。


Q.早く権利化したいときは、どうすればいいの?

A.早期審査を申請することで早く権利化できます。

早期審査を申請するためには所定の要件を満たす必要があります。

早期審査を利用した場合、最短で4ヶ月程度で権利化できる可能性があります。


<審査請求後>


Q.拒絶理由通知ってなに?

A.審査官が審査をした結果、書類に不備があったり、技術的に新しくない、技術的に進歩していないなどの何らかの理由で、このままでは特許権を付与できない場合に、特許庁が通知するものです。経験上、特許出願したうちの9割に対して拒絶理由が通知されます。


Q.拒絶理由通知が来たら権利化できないの?

A.このままでは権利化ができないだけです。拒絶理由が通知された後、請求項を修正する機会が与えられます。その機会に適切に補正すれば権利化できる可能性は十分にあります。


Q.拒絶理由通知に対して対応した後はどうなるの?

A.審査官が納得する対応を取ることができれば、登録査定が通知されます。審査官が納得する対応を取ることができなければ、最後の拒絶理由が通知されます。


Q.登録査定後はどうすればいいの?

A.特許料を納付することで、特許権が発生します。


Q.最後の拒絶理由通知にも適切に対応できなかった場合はどうなるの?

A.拒絶査定が通知されます。拒絶査定が通知された後の対応は、かなり限定されてしまいます。


<権利維持>


Q.権利を維持するためには何かすることがあるの?

A.維持年金を支払う必要があります。

維持年金は1年毎に支払うこともできますし、まとめて複数年分を支払うこともできます。

費用は以下の通りです。

 4年目~6年目:約1万円/年

 7年目~9年目:約3.5万円/年

 10年目以降:約10万円/年


<外国出願>


Q.外国にも特許を出願したい場合、いつまでに決めればいいの?

A.一般的には、日本国内の特許出願の出願日から1年以内に決めてください。

⇒実際には、外国に出願することを決めたのであれば、出来るだけ早く、例えば、出願日から8ヶ月ぐらいまでに特許事務所にその旨を伝えることをお勧めします。時間に余裕があることで、出願戦略に幅を持たせることができます。ここでは、その戦略についての詳細は省略します。

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