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「商標登録」とは?知っておきたい基本知識

特許庁に商標登録願を提出後、登録の可否を判断するための審理がスタートします。過去に同じあるいは類似の商標登録があれば、権利化は認められません。そのため、申請前の戦略立案と緻密な調査が不可欠です。今回は、商標登録の基本について、意匠や特許との違いも交えながらお伝えします。


「商標」とは何か

商標とは、他社(他人)と商品・サービスと識別する目的で発案される、事業者独自のマークです。商標として認められるには、特許庁に出願して登録する必要があります。登録された商標は「商標権」として、使用や譲渡、売買など一切の権利が登録者に認められるようになります。

商標登録されるには、特許庁の審査をパスしなければなりません。審査では、「すでに存在する商標とはっきり区別される」「公益を毀損しない範囲のアイデア」「第三者との商標と比べて紛らわしくない」など、特許庁が設ける基準を満たしているかどうかが問われます。

商標登録されると、第三者に同じ商標の使用を禁止させる権限を有するほか、損害賠償請求なども可能となります。同一商標だけでなく、類似商標にも同様の権利行使が可能。登録期間は10年で、永続的に権利を行使するには10年ごとの更新が必要です。商標権の効力は日本全国に及び、商圏や企業所在地などの影響は受けません。


「意匠」「特許」「商標」の違い

同じ知的財産権である「意匠」「特許」「商標」には、保護対象や存続期間、登録費用などの面で違いがみられます。


・保護対象

l  商標:屋号や商品名、サービス名称

l  意匠:製品のデザイン。完成品に使用される部品デザインも保護対象

l  特許:独自開発された技術


・存続期間

l  商標:登録された日から10年(更新可)

l  意匠:登録された日から20年

l  特許:出願から20年


・費用

l  商標:10万円~

l  意匠:20万円~

l  特許:70万円~


・登録までの期間

l  商標:6カ月~8カ月程度

l  意匠:約1年

l  特許:約2~5年


商標や特許、意匠など産業財産権の権利化は、ビジネスの中で開発・発案されたアイデアが何の権利に該当し、守られる範囲がどこまでかによって、必要な手続き方法が決められています。いずれの権利も、登録までに一定の期間を必要とするため、長期的な開発計画にもとづいてプロジェクトを進行することが大切です。


商標登録にかかる費用

商標登録に必要な費用は、大きく分けてふたつ。「特許庁納付費」「特許事務所に支払う手数料」です。前者は法令などでその金額が定められています。一方、特許事務所に支払う調査費や成果報酬などは、原則事務所の料金設定に従うことになります。

以下は、特許庁に支払う主な費用です。

l  出願料:1区分3,400円+8,600円

l  審査請求料:1区分15,000+40,000円

l  登録料:1区分28,200円


区分数が増えるほど、料金も割増となります。また、審査結果に対して意義申し立てを行う場合は、再審請求や判定請求、商標登録異議申し立てに関する費用が発生します。

特許事務所に支払う手数料は、登録可否を調べるリサーチ費用や各種手続きに対する代行手数料などです。手続きごとに一定の費用を設定する事務所が多いのですが、1時間ごとに費用が発生するタイムチャージ方式を併用するところもあります。料金設定については、事前の確認が重要です。


商標登録申請に必要な準備

商標登録を認めてもらえるかは、手続き以前の準備にかかっているといっても過言ではありません。商標登録申請に必要な準備とは、つまり「登録するための戦略立案」にほかなりません。

申請前に行っておくべきことは、まず商標リサーチです。登録予定の商標がすでに使われているものであれば、出願せずとも結果は目にみえています。自社で出願予定の商標が登録要件を満たしているかの精査が重要となるのです。この調査では膨大な労力と手間がかかるため、商標登録専門の特許事務所に一任するのが最良の方法といえます。

また、区分の検討も必要です。区分とは、商標権の権利分野を第1類~第45類まで分類したもので、申請時に登録希望のネーミングがどの区分に属するかを書類に明記しなければなりません。商標権が及ぶ範囲は、指定した区分のカテゴリーのみとなります。つまり、同じ商標でも区分が異なれば登録も可能となるため、商標権の守備範囲を決定する区分は厳密な設定が望まれるのです。とはいえ、区分数が多ければ多いほど、登録費用が高額となるデメリットもあります。区分指定は非常に重要な問題でもあるため、熟慮を重ねたうえ高度な判断が求められます。

​​​​​​​商標調査と区分の検討を終え、登録のための必要準備が整ったら、商標登録の申請です。申請では、「商標登録願」を提出します。これに不備があっては審査や権利利用に大きく影響するため、定められた書式にしたがって必要事項を記入してください。


まとめ

企業イメージとブランド力を決定付ける商標は、特許や意匠などほかの知的財産権と異なり、更新すれば半永久的に権利保護が約束されるのが特徴です。商標登録では出願時の書類内容が権利範囲を決定してしまうため、申請前にいかに戦略を立てて商標リサーチや区分検討するかが重要。すみやかな登録とその後の権利使用につなげるためにも、知的財産権の権利化において高い知見を持つ特許事務所に申請代理を一任することをおすすめします。

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