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著作権と商標権、優先されるのはどちら?

企業が開発商品のブランド化を狙うなら、著作権より商標権登録がおすすめです。商標の権利化は、著作権と異なり、時間とコストを要する特許庁への出願が必須。審査をクリアすれば大きな効力が手に入ります。商標権と著作権では権利化のプロセスや効力にどんな違いがあるのか、以下でご説明します。


著作権は制作した時点で「自然に発生」する

著作権とは、音楽・絵画・映画・小説・俳句・随筆などの著作物を知的財産権として保護する権利です。著作物には、これら文化的財産物のほか、建築物やコンピュータープログラムなどの表現物も含まれます。

特許や商標権などほかの知的財産権が特許庁に登録してはじめて権利が認められるのと違い、著作権は作品が誕生したその瞬間をもって保護の対象となります。保護期間は作者の死後50年まで。著作権が及ぶ範囲や対象となる権利者は、著作権法によって厳格に定められています。

小説や戯曲、映画、音楽作品などは、著作権を持つ作者の了解をえなければ商業利用は許されません。また、著作者は著作物の使用によって生まれる収益を報酬として受け取ることができます。このように著作物の財産に関する権利を著作者財産権といいます。

また、著作権には、著作者の人格に関する権利を保護するための「著作者人格権」もあります。これには、著作物に作者の氏名を表示する氏名表示権や、作者が著作物を公表する公表権、また著作物のタイトル・内容を第三者が変えることを制限する同一性保持権などが含まれます。


商標権は「自分で登録」が必要

商標権とは、会社名や商品名、サービス名称のオリジナリティを認め、それを保護対象とする知的財産権です。商標制度は、企業の商品・サービスの名称が他者に勝手に使用されるのを防ぐと同時に、消費者に安心できる購入環境を提供する役割があります。

会社のロゴデザインや商品名・サービス名称にたとえオリジナリティがあったとしても、それだけで保護の対象とはなりません。商標権として認めてもらうには、特許庁に出願して審査を受け、登録する必要があります。

出願内容が登録に値するかどうかは、特許庁が判断します。登録要件を満たすには、「これまで未登録の商標であること」「類似性のない商標であること」「公益を害さない商標であること」などの基準をクリアしなければなりません。

商標登録が認められれば、登録者はその権利を独占的に行使できます。商標権の存続期間は、設定登録時に特許庁に支払う金額によって変わりますが、設定登録が開始された日から5年または10年です。ただし、継続を希望すればいくらでも更新が可能です。更新を怠らなければ、半永久的に商標権が認められることになります。


著作権・商標権の効力の違いは?

申請手続きと審査が必要な商標権に対して、著作権が認められる条件は比較的緩やかです。それだけに、両者には効力の面で大きな違いがみられます。

たとえば、誰かが創作した小説が、たまたま既存作品と内容・ストーリー・構成などが似通っていた場合、それが必ずしも盗作であるとはいえません。作者が盗作したという意図を明確に立証しない限り、著作権法違反に問うことは非常に難しいのです。

対して特許庁に登録認定された商標の無断使用は、それが意図的な行為の如何に関係なく、侵害行為と見なされ処罰の対象となります。商標の使用者は商標法にのっとり、権利を侵害した者に対して使用を中止させることができると同時に、損害賠償請求の権利も有します。それだけ商標権には強い効力が存在するのです。

なお、著作権・商標権ともに侵害した場合は10年以下の懲役、または1,000万円以下の罰金というふうに、重い罰則が科せられます。


自分たちの商品・サービスを守るなら、商標登録がオススメ

商標制度は、国が企業価値の保護を目的に創設した制度だけに、登録が認められると強い効力を持てるようになります。企業にとって独自の商品・サービスは、自社ブランドの象徴であり、それを冠するネーミングが広く世間に普及することでブランド性は一気に高まります。オリジナリティにあふれ、ユニークなデザインをした企業ロゴや商品ロゴは、それ自体がセールスマンの役割を果たしているといっても過言ではありません。

​​​​​​​自社の商品・サービス名称を他社の無断使用や権利侵害から守るためには、商標登録が不可欠です。一度登録が認められれば、日本全国で10年間効力が保証され、10年ごとの更新手続きによって半永久的に保護が可能です。貴重な資源を投じて生み出した商標の価値を次世代まで受け継いでいくためにも、商標登録は企業戦略と位置付ける視点・視座が重要です。


まとめ

商標は特許庁の厳格な審査を経て、権利保護が認められるようになります。行政機関がお墨付きを与えるだけに、利用価値は担保されており、効力も抜群です。登録手続きも審査も必要としない著作権とはこの点で大きな違いがみられます。自社の商品ブランドを永続的に保護するためにも、公共性の高い商標登録制度を活用しましょう。

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