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フォントに著作権はあるのか?

新しいブランドを立ち上げたり起業を考えたりする場合には、自分の知的財産を守り、他の著作権を侵害しないことが大切です。そのため、自分でフォントを作ったり既存のフォントを使用したりする場合に著作権が発生するのか気になったことがあるかもしれません。

ここでは、印刷物などに使用されているフォントの著作権について解説します。知的財産に関する知識を身につけることで、知的財産を適切に管理して企業価値をより高めていきましょう。

 

「フォントとは?」

 

まず、「字体」「書体」「フォント」の違いについて整理します。普段の生活では明確な切り分けがないこともありますが、著作権について考える際には正しく区別しなければなりません。字体とは、文字そのものがどんな点や線で構成されているのかを示す概念です。新字体の「国」を旧字体の「國」と表現することがあるように、字体が違えば表現される文字も異なります。

 

書体とは、文字を一貫したデザインのルールで表現したもののことです。漢字の場合は、篆書(てんしょ)・隷書(れいしょ)・草書・行書・楷書、英文ではローマン、ボールド(太字)、イタリック(斜体)などが一般的です。書体によってはデザイン性の高い修飾を行うこともあります。

 

フォントとは、文字を大量に作成するために生まれました。タイプライターの活字や時計の文字盤などはアナログフォント、コンピュータの画面への表示や印刷に対応したものはデジタルフォントです。「明朝体」「ゴシック体」など多くの種類があります。

 

「字体・書体は著作物にあたらない」

 

字体や書体は、過去の判例によると著作物ではないと判断されています。そのため、著作権法で保護されていないとするのが一般的です。そもそも「字体」とは、昔から書物に情報を記録する際に利用してきたものです。歴史的に少しずつ形を変えて現在の形になっているのであって、特定の誰かのものではありません。

 

また、ある「書体」が著作物として認められるためには下記の2つの要素を満たさなければなりません。

独創性(従来の書体に比べて顕著な特徴がある)

美的特性(美術鑑賞の対象となるほど芸術性がある)

一部の書体では著作物と認められる場合もありますが、多くはありません。

 

仮に一般的な書体が著作権で保護されていたとしましょう。ある書物を出版しようとした場合、本の著者の他に書体の作成者にも使用許諾を求める必要が出てくるなど、権利関係が非常に複雑になってしまう事情も加味されています。

 

「フォントは著作物に当たる」

 

フォントには著作権がないとされることがほとんどですが、パソコンなどのデジタル機器でフォントを利用する際は、著作権があるものと捉えておきましょう。過去の判例では、印刷用のフォントは著作物ではないと判断され、著作権が認められていません。これは販売されている有料フォントであっても同様です。

 

つまり、フォントを変形させたり、すでにあるロゴなどを活用して新たにロゴマークを制作したりしても著作権を侵害したことにはなりません。しかし、パソコンなどで用いるデジタルフォントでは事情が異なります。あるフォントを導入する際は、フォントデータをパソコン内にインストールしなければなりません。

 

このような手順を踏むため、フォントはプログラムであると解釈され、著作物と認められています。そこで、もしフォントを勝手にコピーして誰かに配布してしまうようなことがあれば、民法第709条の「不法行為」により罰則の対象となります。

 

「字体・書体には商標・意匠がある場合も」

 

先にご紹介したように、字体や書体には著作権が認められないというのが一般的です。しかし、どのような条件でも書体などが自由に使えるわけではありません。普及している書体でロゴなどを作成しようとしても、その文字列が事前に商標登録や意匠登録されている場合は、勝手に利用することができません。

 

商標登録とは自分の商品やサービスの名前やロゴマーク、アプリのアイコンなどを登録する制度。意匠登録は特徴的な形状・模様・色彩をもつデザインを登録する制度です。どちらも登録内容を保護し、他人と差別化をするために行われます。製品の形状や企業が会社の名前やロゴマークなどを決めた場合は、特許庁に商標登録を行い管理されています。

 

そのため、もし誰かが商標登録した書体を無断で使用した場合は、商標法違反となる可能性があります。たとえば「A商品」が明朝体で商標登録されている際に、書体をゴシック体に変えた「A商品」を使用したいと思っても、登録商標に類似する商標として認められません。

 

「フォントを外注した場合の著作権は?」

 

企業などデザイナーに報酬を払ってフォントを作ってもらった場合、そのフォントの著作権は依頼元である企業ではなく、作成者のデザイナー本人にあることが一般的です。お金を払っているのだから企業側が自由にできるというわけではありません。各フォントは、フォントのデータと共に利用規約がセットになっています。

 

フォント作成を依頼してフォントを受領する場合には、デザイナーが提示した利用規約に問題がないか確認しておかなければなりません。もちろん、事情がある場合は、依頼の段階で「著作権譲渡契約書」を取り交わすことで、作成後の著作権をデザイナーから企業に譲渡できます。利用規約には以下のような条件などが定められています。

著作権保持者について

ゲーム、動画、電子書籍など商用利用可否

フォントデータの頒布、貸与可否

パッケージロゴへの使用可否

複数人でのフォントの使用可否

商標登録や意匠登録する予定のものへの使用可否

 

フォントの利用条件は多岐に渡るため、不明点は具体的な用途を伝えてデザイナーと調整しておくと安心です。

 

まとめ

 

ここではフォントの著作権について紹介しました。これ以外の不明点については、知的財産に関する要望に対して迅速に対応ができる事務所に相談するのがおすすめです。

にじいろ特許事務所(http://www.7color-patent-firm.jp/)では特許と商標両方の専門弁理士が所属しており、全ての案件をサポートしています。

 

フォントの著作権に関する相談や、どうすれば特許化を狙えるのかといった提案もできるので、気になることがあれば気軽に問い合わせてみましょう。

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