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「ビジネスモデル特許」とは|特徴、取得のメリット、実例は?

近年よく耳にするようになった「ビジネスモデル特許」とはどういった内容なのでしょうか。日本ではそういった特許を得ることができるのでしょうか。

今回は、ビジネスモデル特許について解説します。

 

ビジネスモデル特許とは

 

ビジネスモデル特許とは、その名称のとおり、ビジネスモデルについての特許のことを言います。ビジネスモデルとは、ビジネスのやり方、経営方法などを指します。

日本でビジネスモデル特許を取得できるかどうかについては、残念ながら、日本では、ビジネスモデル特許というものは存在せず、ビジネスモデルについて特許を得ることはできません。

 

では、画期的なビジネスモデルを生み出した場合、それを真似されないためにするにはどうしたらよいのでしょうか。特許を利用してビジネスモデルを守れないのでしょうか。

 

特許は、「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」を「発明」として定義し、その発明を特許の対象として法的に保護するものです。

ビジネスを行うだけでは、自然法則を利用しているとは言えないため、ビジネスモデルだけでは特許の対象にならない、ということができます。

しかし、ビジネスモデルの中で使用されているコンピューターやインターネット技術については、自然法則を利用しているものとして、特許を得る可能性があるのです。

このことから、コンピューターなどIT技術を活用して、ビジネスにおける仕組みを作ることは、発明の一部として特許を得ることができる場合があります。このようなビジネス方法に関する発明に与えられる特許をビジネスモデル特許と呼んでいます。

 

ビジネスモデル特許の特徴

 

ビジネスモデル特許の特徴は、ビジネスモデルそのものについて権利があるのではありません。そのビジネスモデルを行うのに不可欠な仕組みや装置について、「特許の権利がある」ということです。

 

例えば、ネットオークションをすること自体はビジネスモデルで、それ自体が特許を得られるのではありません。そのため、画期的なビジネスモデルとしてネットオークションを生み出したとしても、他社は同じようにネットオークションをすることができてしまいます。

 

しかし、ネットオークションのやり方で、一定の技術、例えば、詐欺出品を自動的に検知するシステムを開発したなどといった場合、そのシステムについて特許を得ることができます。そのため、そのシステムがないとビジネスモデルとして成立しないような場合は、ビジネスモデル特許でも、そのビジネスモデルを独占的に使用できる、という特徴があります。

 

ビジネスモデル特許を取得するメリット

 

ビジネスモデル特許を取得するメリットは、ビジネスモデル特許を取ることによって、独占的にそのビジネスモデルを利用できるというメリットが挙げられます。

 

例えば、アメリカで1998年にビジネスモデル特許として登録された事例として、インターネットサイトでの販売システムがあります。

これは、ショッピングカートを用意し、インターネットショッピングで買おうとしているものを、そのショッピングカートに入れておき、最後にまとめて会計をするというシステムです。現在ではごく普通に利用されているこのシステムが、特許になっているのです。

 

このように、新しいビジネスモデルの仕組みに関わるシステムを発明することによって、独占的にその発明を使用できたり、特許使用料を支払ってもらえることもできるため、自社のメリットになります。

 

ビジネスモデル特許の例

 

ビジネスモデル特許の具体的な事例としてはどのようなものがあるのでしょうか。詳しい内容をみていきましょう。

 

まず、日本で有名なビジネスモデル特許のひとつにマピオン特許というものがあります。

マピオン特許は、地図情報提供サービスを行っている株式会社マピオンが生み出した特許です。

その特許の内容を簡単に説明すると、インターネットを利用した地図における広告方法に関するもので、ユーザーの位置情報を利用し、その位置に近づくと予め登録されている広告が表示されるという仕組みです。

 

その他では、花の販売方法に関するビジネスモデル特許があります。

例えば、花を販売する会社が、インターネット上に、提供できる花やそのラッピングなどについて記録しておき、ユーザーである消費者は、自分で検索した花から自由に選んで組み合わせます。組み合わせたものをイメージ画像として表示させ、まるで消費者が実際に花を売っている店舗で自由に選ぶように花を購入できる仕組み(特開平9-204466号)などもビジネスモデル特許として成立しています。

 

このように、インターネットを利用した、新しい仕組みを開発するようなビジネスモデル特許が多くなっている傾向です。インターネット技術は日々進化しているので、実際に自分が生み出したと思われるビジネスモデルも他社が先駆けて開発している可能性もあります。

 

しかし、特許を得られれば、ビジネスモデル自体を独占できる可能性もあります。特許における検索をしてみて、ビジネスモデル特許になり得そうな場合は積極的に出願するのもひとつの手段になり得ます。

 

 

まとめ

 

ビジネスモデルそれ自体を特許権として、登録することはできません。しかし、ビジネスモデルを支える仕組みや装置を生み出すことができれば、ビジネスモデル特許として特許権が認められる可能性があります。

 

ビジネスモデル特許を得られれば、そのビジネスモデル自体を独占的に使用できる場合もあります。こんな場合はビジネスモデル特許になるのだろうか、類似のビジネスモデル特許にはどんなものがあるのか知りたい・検索してもらいたいなどお困りの場合はお気軽にお問い合わせください。

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