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意匠権と商標権はどう違う?会社のキャラクターを保護すべきはどっち?

意匠と商標には、保護対象や登録に要する期間、維持費用など、異なる点が多数存在します。今回は意匠権と商標権の違いについてご紹介します。また、会社のキャラクターを保護したいとき、意匠と商標どちらを登録すべきかについてもお話します。

 

意匠と商標の保護するものの違いは?

意匠は工業的な物品のデザインを保護します。対象となるデザインはまったく新しいものでなければならず、既存の類似品があれば意匠権を登録できません。また、簡単には生み出せない独自のデザインであるのも重要です。そのほか、工業的に大量生産できるのも条件となります。

意匠として認められないのは、アイデアや概念のように形がないもの、光や液体のように固体ではないもの、非常に小さくて肉眼ではみえないものなどです。粉や粒のように、それ単体では肉眼で識別しにくいものも対象外です。

また、物品を破壊しなければ確認できない内部構造も意匠登録できません。不動産も工業的に大量生産できないため、意匠とは認められません。ただ、不動産に使われている建材に関しては、条件を満たせば意匠登録できます。

さらに、工業的に大量生産できない、例えば、一品生産の芸術作品も意匠登録できません。

商標が保護するものはネーミングやブランドロゴなどです。商品名や店名なども商標として認められます。商標権で保護されたものは、他者が類似品を作れません。商標が持つ価値を保護することは、商品そのもののブランド力を守ることにつながります。

消費者からの信用という価値を守るのが商標の目的です。商標には文字のみのものや図形と文字が組み合わさったもの、音、立体などさまざまな種類があります。色や動きなども商標の対象となります。


意匠と商標の手続きの違いは?

意匠登録するには、特許庁に出願して審査を受けなければいけません。出願してから登録までは、たいてい1年ほどかかります。費用は15万円前後が相場のようです。ただ、審査結果が不合格であった場合は、特許庁に意見書や補正書を提出する費用が追加されます。

意匠権が存続するのは登録日から最長で20年です。毎年維持年金を納めることで意匠権が保持できます。20年間で支払う維持年金は、総額31万4,500円です。途中で維持年金の支払いを止めたら意匠権は消滅します。

商標も意匠と同じく、特許庁に出願して審査を受ける必要があります。出願から登録までは7カ月と、かかる期間は意匠権よりも短めです。費用も最低10万円程度からとなっています。登録時には10年分の維持年金を一括で支払うか、2回にわけて分納します。

商標権の存続期間は10年ですが、これは更新することが可能です。更新手続きを繰り返せば、半永久的に商標権を保持できます。これは、商標の保護する信用が、年月がたつほど蓄積されていくためです。時間をかけて大きくなった信用を守れるよう、商標権は長期間維持できる制度が整っています。


キャラクターやロゴマークはどちらで保護すべき?

商標は、「指定商品」または「指定役務」に登録したものへ使用できるという決まりがあります。役務とはサービスのことです。

例えば、キャラクターを商標登録し、ノートを指定商品として登録したとします。そうするとノートとキャラクターがひもづいて保護されるため、権利者以外はそのキャラクターを使ったノートの発売ができません。企業のマスコットとして利用するキャラクターであれば、その会社が提供している商品、またはサービスを「指定商品」や「指定役務」として登録したほうが良いでしょう。

キャラクターの人形を販売したいときは、物品のデザインを保護する意匠登録がおすすめです。意匠権の審査では「新規性」が重視されるため、できれば販売前に登録するようにしましょう。

もちろん、キャラクターによっては意匠権と商標権の両方で保護できる場合もあります。より強固にキャラクターの権利を守りたいときは、双方の出願を検討してみてください。

 

商標(立体商標)を構成する要素

立体が商標となる法律が取り入れられたのは、1997年のことです。立体商標として認められるにはいくつかの条件をクリアする必要があります。

例えば、商品そのものの形が非常に特徴的で、ひとめでほかの商品と区別できる場合は、立体商標として認められる可能性が高くなります。商品自体ではなく、商品パッケージの形についても同様です。

また、コンビニエンスストアやガソリンスタンドなどの建物も立体商標として認められた例があります。その建物をみるだけで、どういった店で、どんなサービスが行われているか判別できるためです。

ほかには、チェーン店の店頭に置いてある人形が立体商標として登録されたこともあります。人形を見るだけで店の商品やサービスの内容がわかるなら、人形そのものが広告としての役割を果たしているとみなされます。こういった人形は立体商標となり得ます。

 

まとめ

意匠と商標の違いは、保護する対象や登録に要する期間、存続年数などさまざまです。ものによってどちらで保護するのが有効かも異なります。判断が難しいという方は、商標関係の法律に詳しい特許事務所への相談がおすすめです。自社のロゴやキャラクターなどを適切な権利で保護しましょう。

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